東京少女
キラキラ輝くネオンの光が少女の顔を照らしている。
立ち止まってはいけない。
立ち止まってはいけない。
少女以外の人間には、目的地があるのだから。
たとえ薄汚れた月が少女を呼んでいようとも、立ち止まってはいけないのだ。
涙のにじんだ目で少女は思う、
東京という街に、殺されてしまいそうだ。
ざわめきが少女をとらえる。
香水のにおい、無数のヘッドライト、道端のゲロ、欲望の予感、はっとするような笑い声、幸福の置き場。
私は、私を、見失ってしまう。
ひとは、現れては消える。
少女もまた、どこかへと消えたいった。
さて、
何処へーーー。